背伸びして衝動買いした高級トレンチコート

ベージュのトレンチコート大学を卒業する春のこと、これから東京に出て初めての社会人生活を始めようとしていた私は、新しい生活が楽しみでとても浮足立っていました。社会に出て大人の仲間入りをすると思うと急に背伸びがしたくなり、ついつい大人っぽいものに目が行ってしまいがちに。そして自分への就職祝いなどと理由を付けてはバックや靴、アクセサリーなどをちょこちょこ買い揃えました。

またちょうどその頃、トレンチコートがとても流行っており、トレンディドラマでもたくさんの女優がかっこよくトレンチコートで決めていました。これから社会人になってスーツを着るし、それに合わせてとびきりかっこいいトレンチコートが欲しい!と思い、早速デパートをハシゴしながらトレンチコートを探していると、一見どれも同じに見えるトレンチコートは、丈の長さ、裏地、襟の大きさ、ボタンの位置が微妙に違うことに気が付きました。

その中で私が惚れてしまったのは、あの有名なチェック模様の裏地がちらちら見えるバーバーリーのものでした。当時ブランド好きでもあった私は、「これこそ自分への最後の就職祝い!」と決め込んで、衝動的にそのコートを買ってしまいました。金額は78000円、学生上がりの私はキャッシュで払うことができなかったのでローンを組みました。私が人生で買った一番高い洋服です。

入社したころは嬉しくて毎日バーバリーのトレンチコートを着ていました。まだ肌寒かったのでこのコートはとても重宝しました。ところがだんだん、このコートの特徴であるとても長い丈が邪魔になってきました。蹴り上げたパンプスのヒールあたりがコートの裾に当たってしまい、どんどんアイボリー生地が汚れていくのです。そして梅雨が明けるともう上着は要らなくなり、トレンチコートはタンスに眠ってしまいました。

季節が過ぎてまたトレンチコートの季節がやってきました。と思いきや、そのころはすでにトレンチコートの流行が過ぎ去っていまい、周りで着ている人を殆ど見かけなくなってしまいました。ローンの返済も終わらないうちに、私のトレンチコートも御用納めとなってしまった失敗です。

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